大腸カメラ検査(下部消化管)のながれ
1事前診療と検査のご予約
大腸カメラ検査を行う場合、腸内が空っぽでないと見逃すリスクが高まるので、下剤の服用や前日の食事制限などの前処置が必要です。腸内をきちんと掃除するために、前もって受診していただき、前処置の詳細な内容の説明を受けてから検査を予約するようにしてください。
事前診療では、必要に応じて血液検査を行います。半年以内の他院での採血結果や検診の結果などがあれば参考にしたいのでご持参ください。また、日常的にお薬を飲んでいる場合は、全てのお薬を確認した上で検査前のお薬の飲み方についての指導を行っています。
注意点
特に、血液をサラサラにする抗凝固剤をお飲みになっている方は、事前診療で医師に伝えてください。大腸カメラ検査では、疑わしい部位があれば組織を採取して病理検査を実施したり、前がん病変である大腸ポリープが見つかれば検査中にそのまま切除したりすることがあります。抗凝固剤をお飲みの場合、このような処置で大量出血が起きてしまうリスクがあります。お薬手帳や内服している全ての薬がわかるものを持参ください。
2検査前日
日常的にお薬を服用されている方は、事前診療で医師から指導された通りに服薬・休薬するようにしてください。
検査前日のお食事は腸管に残りやすい繊維質のお野菜、きのこ、海藻類、こんにゃく、とうもろこしなどは避け、消化しやすいものを召し上がってください。おうどん、おかゆ、卵、白身魚、などがおすすめです。便秘気味の方や食事の準備が難しい方は検査食を食べていただく方法もあります。
夕食を終えたら検査が終わるまで何も食べてはいけませんが、お渡しした下剤は忘れずにお飲みください。なお、水分は透明で糖分が含まれていない薄いお茶やお水であれば大丈夫です。検査前日は早めに寝るようにしましょう。
3検査当日
お食事は召し上がれませんが、水やお茶は摂取していただいて構いません。
常用薬の内服は、予約時に説明いたしますので、その指示を守ってください。
お渡しした下剤を水に溶かして約2Lにして、検査の約4時間前より少しずつお飲みください。
注意点
大腸カメラ検査で鎮静剤を使った場合、検査終了後に自転車、バイク、車などの運転は控えてください。お越しいただく際は、電車やタクシーやバスなどの公共交通機関を利用するか、ご家族に送り迎えをお願いしてください。
4ご来院と準備
腸が空っぽになって便意が収まったら、検査予約時間に余裕を持ってお越しください。便の状態を確認して、当院で準備した検査着に着替えます。
5検査
検査室に入室して点滴を実施し、身体の左側を下にして膝を曲げた姿勢でストレッチャーベッドに横になります。鎮静剤を注入して、眠ったような状態になったことを確認してから検査を開始します。医療用ゼリーを肛門に塗布してスコープを挿入していきます。数分で盲腸にまで届き、肛門側に手繰り寄せながら粘膜を観察します。麻酔を注入してから約10~15分で検査は完了し、ポリープ切除を実施した場合でも約20分で終わります。
6検査終了後
ストレッチャーに寝たままリカバリースペースにお連れして、完全に意識が戻るまで休憩します。7ご説明
リカバリースペースでしばらくお休みした後、結果を説明いたします。検査を担当した医師が検査画面をもとに分かりやすく結果をお伝えします。何かお聞きしたいことがあれば遠慮なくご相談ください。
検査中にポリープ切除や組織を採取した場合は病理検査を実施し、検査が判明するまでに10日間程度かかるため、再度お越しいただく必要があります。
8ご帰宅後
検査が終わって1時間経過すると食べたり飲んだりできます。検査当日は運動やお酒は厳禁です。消化管に負荷をかけないように、消化の良いものをゆっくり摂取し、食べ過ぎ・飲み過ぎは控えましょう。
ポリープ切除を実施した場合は、1週間は刺激物やアルコールの摂取、排便時にいきむことや、激しい運動、遠出の旅行や出張は避けてください。